30代/ 男性
RPR陰性でも梅毒?亀頭の硬性下疳症例|Early Syphilis with Negative RPR|銀座ヒカリクリニック
診断 一期梅毒
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エピソード
一期梅毒
梅毒の初期では、血液検査が陰性に見える時期でも、特徴的な症状から診断が必要になることがあります。
自己判断せず、早めの検査・診察をご検討ください。
Early Syphilis with Negative RPR – A Male Case with Chancre on the Glans Penis
🧍♂️ 患者さんの概要
亀頭に小さな傷ができ、診察で硬性下疳を疑う所見を認めた症例です。
30代男性。
5日前から亀頭に小さな「傷」ができたとのことで受診されました。
診察では、亀頭部に硬いしこりを伴う潰瘍、いわゆる硬性下疳を1か所認めました。(Before)
右鼠径リンパ節には無痛性腫大を認めました。(画像1)
これらの特徴的な所見から、梅毒の初期病変が疑われました。
🔬 検査と診断
即日血液検査ではTP抗体陽性、RPR陰性でしたが、臨床所見から梅毒を強く疑いました。
即日行った血液検査では、TP抗体陽性。
同日の定量検査では、以下の結果でした。
- TP抗体:24(陽性)
- RPR:0.2未満(陰性)
このため、梅毒の超早期段階またはTP抗体の偽陽性の可能性も考えられました。
しかし、診察上は明瞭な硬性下疳を認めたため、専門医判断で梅毒と診断しました。
梅毒の初期では、RPRが陰性のまま経過することがあります。
亀頭の傷・潰瘍・しこり・鼠径部リンパ節の腫れがある方は、早めの診察をご検討ください。
💊 治療経過
抗菌薬による内服治療を開始し、亀頭の潰瘍は約1か月で治癒しました。
抗菌薬アモキシシリン(AMPC)による内服治療を開始しました。
1週間後には亀頭の症状は軽快し(画像2)、2週間後にはさらに改善しました(画像3)。
- TP:19
- RPR:0.5(依然として陰性域)
RPRの上昇はごくわずかでした。
1か月後の診察では、亀頭の潰瘍は完全に上皮化し、治癒を確認しました。(After)
4週間後の採血では、
- TP:24(陽性維持)
- RPR:0.2未満(陰性のまま)
でしたが、補助検査FTA-ABS(蛍光トレポネーマ抗体吸収試験)にて陽性(40)を示し、最終的に梅毒感染が確定しました。
※本検査は2025年10月現在、実施不可。
🧬 専門医の解説
梅毒初期では、RPRが陰性でも梅毒を否定できないことがあります。
梅毒の初期では、感染から数週間のあいだRPR検査が陰性のまま経過することがあります。
このため、「検査で陰性=梅毒ではない」とは限らないことが重要です。
典型的な硬性下疳や鼠径リンパ節腫脹などの臨床的特徴があれば、血液検査結果に先行して治療を開始する判断が必要な場合があります。
今回のような症例は、非常に早期に受診されたことで、重症化や感染拡大を防ぐことができました。
🩺 この症例の重要ポイント
- 梅毒初期ではRPRが陰性のまま経過することがある
- 硬性下疳、つまり硬い潰瘍は梅毒初期の特徴的所見
- 鼠径リンパ節の無痛性腫大も重要な診察所見
- 早期治療で合併症や感染拡大を防ぐことが期待できる
- 医師による臨床判断が診断の鍵となる
梅毒をはじめとした性感染症の早期診断・即日検査・抗菌薬治療に対応しています。
亀頭の傷、潰瘍、しこり、リンパ節の腫れなどがある方は、症状が軽くても自己判断せず、早めの受診をご検討ください。















