急性尿道炎とは
病原体が尿道に入って感染し、炎症を起こします。急性尿道炎を来す病原体には、淋菌・クラミジア・マイコプラズマ・ウレアプラズマ・トリコモナス・カンジダ・一般細菌などがあります。そのほとんどは性行為で感染する性感染症です。
複数の病原体に感染している場合も
淋病など性感染症の病原体だけでなく、腸内細菌、皮膚や粘膜に生息している常在菌、一般的な検査では検出が困難な病原体などによって発症する可能性があり、複数の病原体によって起こっている場合もあります。
無症状のパートナーからも感染します
男性が急性尿道炎を起こす淋菌、クラミジア、マイコプラズマ、ウレアプラズマなどは女性が感染しても症状を起こさないことが多いのですが、無症状でも感染力があります。そのため、繰り返し感染することや、お互いに感染を繰り返すピンポン感染が起こりやすくなっています。パートナーが無症状でも必ず検査を受ける必要があります。
症状がなくなっても治癒確認が必要
症状がなくなっても病原体が残っていることがあります(「耐性菌」と言います)ので、治療後尿検査を受けて病原体が消えていることをしっかり確認しましょう。
検査、処方、治癒検査は全ての診療がオンラインで完結します。
新しいパートナーへのエチケットとしての検査
新しいパートナーができた際に症状がなくても検査を受ける欧米人が増えていて、結果をパートナーに伝えることがエチケットになっているとのことです。性感染症は特別な病気ではなく誰もがかかる可能性がありますので、こうした意識は重要です。
検査をご希望の方はWeb予約をお願い致します。
感染経路
尿道に病原体が入って感染します。普通のセックスだけでなく、オーラルセックスやアナルセックス、ディープキスでも感染します。また、病原体によっては手だけのサービスで感染することもあります。病原体を持っている相手とセックスしてもうつらないこともありますし、同じ相手と数回セックスしてうつることもあります。こうした病原体がのどに感染しているとオーラルセックスでうつります。
原因になる主な病原体
感染している女性が多いことから、クラミジアによる発症が最も多いとされています。次いで、やはり女性は無症状のことが多い淋病の淋菌によるものが多くなっています。また最近ではマイコプラズマ、ウレアプラズマの感染ケースが増えており、他にも大腸菌などの腸内細菌や、皮膚・粘膜に住む常在菌、真菌のカンジダ、原虫のトリコモナスなどによるものもあります。検査してみると複数の病原体に感染しているケース(混合感染)もしばしばあります。
尿道炎の症状
尿道の違和感、排尿痛、尿道からの膿などの症状を起こします。排尿痛の強さ、膿の色や粘り気、量などは個人差があります。ま足の付け根のリンパ節が腫れたり痛んだりすることもあります。また無症状の方も非常に多く、パートナーの感染を契機に検査をされて陽性であったという事もあります。
女性は急性尿道炎にはなりませんが、原因の病原体に感染して症状を起こさないまま進行し、不妊や子宮外妊娠の原因になる可能性がありますし、母子感染を起こすこともあります。ご自分が急性尿道炎と診断されたらパートナーにも必ず受診するよう伝えてください。
男性が感染したまま放置した場合のリスク
感染した病原体によっては、治療せずに放置すると前立腺や精巣に感染を拡げて前立腺炎や精巣上体炎、無精子症になる可能性があります。他にも尿道違和感が後遺症として残ったり、パートナーにうつしてしまう可能性もありますので、完治するまできちんと治療を受けることが重要です。
尿道炎の検査・診断・治療・副作用
検査
診察と尿検査で診断できます。尿道に綿棒を入れて検体を採取する検査はほとんど行われていません。検査のタイミングも感染機会の直後から可能です。
尿検査(沈渣 ちんさ)
尿中の白血球数を調べます。白血球は炎症細胞ですから数が増えていると炎症を起こしています。1⁻2日程度で結果がわかります。
淋菌、クラミジア、マイコプラズマ、ウレアプラズマの検査
尿を採取して、DNAやRNAを確認する感度の高い検査です。結果が出るまでに淋菌、クラミジアは3-4日、マイコプラズマ、ウレアプラズマは7-14日かかります。
トリコモナス、カンジダ、一般細菌の検査
塗抹検査といい、1,2日程度で結果がわかります。
治療について
原因の病原体に合わせた治療を行います。
治療内容
淋病の場合には、内服薬では治りにくいため注射による治療を行います。1度の注射で効果が期待できますが、治癒を確認するために数回の通院が必要です。
クラミジアの場合は、複数の抗生物質による治療が可能です。1~2週間程度の服用が必要なものから、1回投与で効果が期待できるものもあります。ただし、1回投与の治療を受けた場合も治癒を確認するために数回の通院が必要です。マイコプラズマ、ウレアプラズマの治療に関してもクラミジアと同様に抗生剤の飲み薬となり、治癒を確認するために数回の通院が必要です。
治療の流れと注意するポイント
検査を受けて原因菌がわかったらそれに合わせた治療を受けます。症状が解消しても病原体が残っていて、治療を中止すると再発するケースがありますし、耐性を持ってしまって通常の治療では治しにくくなることがあります。そのため、必ず治癒したことを確認する検査が必要です。また性感染症の分野では混合感染するケースがとても多いため、原因菌は一つとは限らないと常に考えておくことが大切です。つまり一つの菌が死滅し、治癒の確認をしてもまだ症状が残存する場合は別の病原体の感染も考えなければなりません。
副作用
下痢、蕁麻疹、皮膚そう痒症など報告されております。このような症状が出た場合はすぐに担当医師へご相談ください。
尿道炎の検査・治療費用
個々の検査は以下をご参照ください。診療料金は別途かかります。
病名 | 検査費 | 治療費 |
---|---|---|
淋菌* |
のど |
点滴 ¥8,250-¥11,000 |
尿 |
点滴 ¥8,250-¥11,000 |
|
肛門 |
点滴 ¥8,250-¥11,000 |
|
クラミジア* |
のど |
飲み薬1週間分 ¥5,390-¥6,160 |
尿 |
飲み薬1週間分 ¥5,390-¥6,160 |
|
肛門 |
飲み薬1週間分 ¥5,390-¥6,160 |
|
マイコプラズマ |
のど |
飲み薬1週間分 ¥5,390-¥7,700 |
尿 |
飲み薬1週間分 ¥5,390-¥7,700 |
|
肛門 |
飲み薬1週間分 ¥5,390-¥7,700 |
|
カンジダ尿道炎 |
尿 |
飲み薬1週間分 ¥5,390-¥6,160 |
トリコモナス尿道炎 |
尿 |
飲み薬10日分 |
細菌性尿道炎(一般細菌) |
尿 |
飲み薬1週間分 ¥5,390-¥6,160 |
診療料金
初診料 | ¥1,650 |
---|---|
再診料 | ¥1,100 |
処方料 | ¥220 |
検査セットは以下をご参照ください。
病名 | 大手価格 | 検査費 |
---|---|---|
7種 (淋菌、クラミジア、マイコプラズマ、ウレアプラズマ、一般細菌、トリコモナス、カンジダ) |
¥38,500 | ¥22,000 |
4種 |
¥22,000 | ¥12,650 |
2種 (淋菌、クラミジア) |
¥17,600 | ¥6,050 |
+オプション |
– | ¥550 |
表示価格は全て税込、診療料金を含みます。
急性尿道炎の予防
性行為の最初から最後まで、コンドームを正しくつけていることが重要です。セックス、オーラルセックス、アナルセックスでも、コンドームをつけましょう。ただし、完全に防ぐのは無理ですから、疑わしい症状があったら必ず受診してください。また、パートナーは感染していても無症状のケースがあるため、再感染を防ぐためにも必ず検査を受けるよう伝えてください。
症例解説と患者様のお声
*銀座ヒカリクリニックでは患者様ひとりひとりのご経験を貴重な症例としてとても大切にしています。Googleの口コミは、お名前が出てしまうのでご協力が難しい患者様には、“未来の患者様の為に”院内のアンケートにお答えいただいております。ここでは実際の患者様の症例と院長先生(ノリ先生)の解説、患者様のお声を匿名化してご紹介いたします。
性感染症に特有の4種の菌が全て陰性であるにもかかわらず、激しい尿道炎症状を来たした一例
40歳代男性 経営者
1週間前にパパ活でクンニリングス、コンドームを用いないフェラチオ、膣性交などを行いました。3日前から尿道の痛み、亀頭や包皮の赤み、腫れ、発熱があります。2日前に近くの皮膚科医院で淋菌、クラミジアの検査をして、結果はまだ出ていないですが、ビブラマイシンをもらい飲みました。尿の4種検査、沈査と、薬が効いていないので違う薬が欲しいです。
【その後の経過】
尿検査の結果、淋菌、クラミジア、マイコプラズマ・ウレアプラズマなど性病に特有の菌は陰性でした。しかし、尿中白血球は20程度であり、尿道の炎症は客観的に見ても明らかでした。その後は通院を自己中断してしまいました。
【専門医の解説】
たまに、性感染症特有の菌が全て陰性なのに、尿道炎症状や尿道の炎症(白血球上昇)を認めています。この場合、いくつかの仮説が考えられます。
1.頻度は低いが、トリコモナス、カンジダ、一般細菌などにかかっている場合です。
2.一般細菌の中でも、インフルエンザ菌や髄膜炎菌は尿道炎症状の原因菌として知られている。この場合は尿培養検査を提出する必要があります。
3.風邪のウイルスであるアデノウイルスに罹っている場合です。アデノウイルスと言うのは風邪の咽頭炎や結膜炎で有名なウイルスですが、尿道の炎症を引き起こすことがあります。この方は発熱もあり、亀頭炎症状のようなものもあるため、これの可能性が高いのではないかと考えています。同時にのども痛ければさらにこれが原因と言うのに近いかもしません。アデノウイルスはイムノクロマト法で検査ができますが、当院ではキットが無い為、検査不可です。
4.全く菌はいないのだが、性行為による機械的刺激で小さな傷を作ってしまっている。当院では、菌が検出できないが、炎症を起こしてしまっている可能性がある、または知覚過敏になっており、尿道炎症状を慢性的に感じてしまう患者さんに対して、抗生剤以外の治療薬をご用意しております。お気軽にご相談ください。
5.この方はお若いのであまり関係なさそうですが、50歳くらいから前立腺肥大による尿道炎症状も考えられます。
また、性感染症学会認定医の私としては、発熱が気になるところです。性病で発熱をきたすことは少ないので、やはりアデノウイルスによる発熱か、または今回、問診が少し甘かったのですが、前医で抗生剤をもらい、飲んでから発熱をきたしているのであれば、梅毒感染を疑わなければいけません。梅毒を持つ人が抗生剤を飲むとヤーリッシュヘルクスハイマー反応と言うのが起こり、発熱するからです。現在、梅毒感染者数はとても多く、また当院の統計ではその半分が無症状です。
逆に、抗生剤を飲む前に発熱をきたしていたらやはりアデノウイルスを疑うわけです。いずれにしても通院を中断されてしまってはこれ以上のアドバイスはできませんでした。お大事にされている事を祈ります。
院長紹介
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