20代/ 女性
「性病かも?」と心配したら実は違った――鼠径部の皮下膿瘍の症例 “Not an STD After All: A Case of Inguinal Subcutaneous Abscess in a Young Woman”
診断 鼠径部皮下膿瘍
Before
エピソード
鼠径部皮下膿瘍
A 20s woman feared an STD after noticing groin swelling, but it turned out to be a simple abscess. Learn how it was treated and fully healed.
20歳代女性
4,5日前から右鼠径部が腫れました。前日サウナに入り、腫れが大きくなった気がしています。腫れている所にズボンが当たると痛みます。排尿痛や下り物の変化はありません。
【診察】右鼠径部に皮下膿瘍を認めました。近傍に2つの粉瘤又は埋没毛などと考えられるような皮膚病変を認めました。周囲は発赤、熱感、腫脹、疼痛のある、蜂窩織炎の状態です。膿瘍の淋菌PCRは陰性でした。
【経過】
診察日に切開排膿を行いました。2日後、炎症症状は軽快していましたが、ポケットの洗浄では疼痛を認めました。その後自己洗浄を指示しましたが、7日後にはほぼ完全に軽快し、傷もふさがっていました。
【専門医の解説】
性器周囲の膿瘍形成には、淋菌、結核菌などが原因となる事があります。他には医原性と言って、何かしらの医療介入の後に腫れてしまう事があります。本症例はそれらの原因は否定的であり、淋菌が陰性であったことから性感染症も否定的でした。診察では、近傍に粉瘤または埋没毛が見られ、原疾患が存在する可能性も示唆されました。一方で、著明な炎症、すなわち皮膚、皮下の赤みや緊満した腫れを見てめており、緊急で切開排膿を行いました。もし原疾患がある場合は再発の恐れがあり、その際には根治的な手術を受けなければいけないと考えています。
【患者様のお声(銀座ヒカリクリニック 口コミ)】
祝日に診察してくださるとのことで、急遽おお伺いしました。性病でかかったわけではないのですが、その他の診察もしてくださってとても助かりました。診察も丁寧で、とても親切で助かりました。