20代/ 女性
ヘルペスが悪化?実はブドウ球菌感染も併発していた―発熱と強い痛みを伴った20代女性の症例|銀座ヒカリクリニック When Herpes Gets Worse: Staphylococcal Co-infection Causing Severe Genital Ulcers in a Woman in Her 20s
診断 性器ヘルペス、単純ヘルペス1型感染症
Before
エピソード
性器ヘルペス、単純ヘルペス1型感染症
【患者さんの概要】
20代女性。元性風俗産業に従事していた方。
これまで不特定多数のパートナーがいたが、今年に入ってからは1人の相手のみ。コンドームは普段使用していない。
3日前から外陰部のかゆみ、おりものの増加、性器のできものを自覚し、発熱感も出てきたため受診。排尿痛はなし。
【診察と検査結果】
診察では、両側の大陰唇に多発する潰瘍(ただれ)を認めました。
単純ヘルペス特異抗原検査を行ったところ、1型単純ヘルペス陽性と判明し、抗ウイルス薬の内服と軟膏を処方しました。
しかし、受診から2日後に症状が悪化。
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発熱:39℃
鼠径リンパ節の腫れ
排尿時のしみる痛み
尿道周囲に膿性のおりもの -
性感染症検査では、淋菌・クラミジアは陰性。しかし、ブドウ球菌(Staphylococcus)が陽性であり、細菌感染の合併と診断しました。
【治療の内容】
ブドウ球菌に対して抗生剤を処方し、発熱や強い痛みに対して解熱鎮痛薬の座薬を使用。さらに、陰部の強い炎症と腫れを抑えるためにステロイド点滴を実施しました。これらの治療により、熱は下がり、潰瘍や痛みも次第に改善しました。
ただし、約4か月後に再発し、同様に強い疼痛を認めたため、再度ウイルスの治療を行いました。
【医師からのコメント】
性器ヘルペスは非常に一般的な感染症ですが、免疫力が低下していると細菌感染(特にブドウ球菌)を合併することがあります。
こうした場合、通常の抗ウイルス薬だけでは治りが悪く、リンパ節の腫れ、膿性分泌物を伴うことがあります。
「いつもと違う痛み」「熱がある」「おりものの色が濃い」などの症状がある場合は、単なるヘルペスの再発ではなく、細菌感染の合併を疑って早めに医療機関を受診することが重要です。
銀座ヒカリクリニックでは、性感染症の即日検査・治療のほか、
症状に応じてウイルス感染と細菌感染の両方をカバーした治療を行っています。
【患者様の声】
「最初はヘルペスだと思っていたのですが、熱が出て痛みが強くなり、本当に不安でした。検査で細菌感染もわかり、点滴をしてもらってからすぐに楽になりました。先生が丁寧に説明してくださって安心できました。」
【まとめ】
外陰部のかゆみや潰瘍、発熱を伴う場合、単なるヘルペスだけでなく、ブドウ球菌などの細菌感染が関係していることもあります。「いつもと違う」「痛みが強い」と感じたら、早めに受診しましょう。