【患者さんの概要】
20代女性。
初回受診の5日前にレディースクリニックを受診し、尖圭コンジローマ（性器のイボ）と診断され、ベセルナ®クリーム（イミキモド）が処方された。
初めての性病ということで不安が強く、ヨクイニン（漢方）による体質改善と、必要に応じて液体窒素による治療も希望されて当院を受診。
診察では、膣前庭部および左小陰唇に結節性病変を認め、尖圭コンジローマとして矛盾しない所見（Before）。
また、恥毛部に2か所の水イボ（伝染性軟属腫）を認めたため、同時に治療を行うこととした。

【治療内容と経過】
ベセルナ®クリーム（イミキモド外用）
ヨクイニン内服（漢方）
液体窒素による凍結療法
を併用して治療を開始。
1週間後（画像1）、2週間後（画像2）にはイボが著明に縮小し、治療部位の周囲に軽い発赤が見られたため、粘膜保護目的の軟膏を追加処方した。
3週間後（画像3）、4週間後（After）の経過でイボは完全に消失し、皮膚の状態も安定。その後の再発は認めていない。
HPVワクチンは未接種であったため、9価ワクチン「シルガード9」の接種を勧めた。

【専門医の解説】
尖圭コンジローマは、ヒトパピローマウイルス（HPV）による感染症で、免疫低下や摩擦刺激によって発症します。
治療法としては、
塗り薬（ベセルナ®：自己免疫を高めてイボを排除）
凍結療法（液体窒素）
体質改善（ヨクイニンなどの漢方）
を組み合わせることで治癒率を高め、再発を防ぐことができます。
また、HPVワクチン（シルガード9など）による予防も非常に重要です。本症例のように、早期に治療を開始し、粘膜保護をしながら継続することで、短期間での治癒と再発防止が可能です。

【患者様の声】
「初めて性病と言われてとても不安でしたが、先生が丁寧に説明してくださり、液体窒素と漢方で早く治りました。
痛みも少なく、2週間でイボがなくなって安心しました。ワクチンも受けようと思います。」

【まとめ】
尖圭コンジローマは、早期治療と正しい自己ケアが鍵です。
ベセルナ外用だけでなく、液体窒素治療や体質改善を組み合わせることで治癒までの期間を短縮し、再発リスクを減らすことができます。
「イボが治りにくい」「再発を繰り返す」「ワクチンを受けた方がいいか迷っている」場合は、ぜひ性感染症専門の医療機関にご相談ください。