30代/ 女性
繰り返す性器ヘルペス――「ただのデキモノ」と言われた30代女性の症例|銀座ヒカリクリニック Recurrent Genital Herpes Misdiagnosed as a Simple Skin Lesion – A Case of a Woman in Her 30s
診断 性器ヘルペス(単純ヘルペス2型)、再発ヘルペス
Before
エピソード
性器ヘルペス(単純ヘルペス2型)、再発ヘルペス
【患者さんの概要】
30代女性。
3日前から外陰部や腟内のかゆみ、おりものの増加、悪臭、不正出血、性器のできものが出現。
「大陰唇にも広がっている感じがする」「排尿時に強い痛みがある」と訴え、本人は淋病を疑って来院。
【診察と検査結果】
診察では、両側の小陰唇に多発する潰瘍(ただれ)を認めました。
性感染症検査として単純ヘルペス特異抗原検査を実施したところ、2型単純ヘルペス陽性であることが判明。
【治療経過】
初回治療では、
抗ウイルス薬:バラシクロビル(10日分)
外用薬:ビダラビン軟膏
栄養補助:ビタミンセットⅡ
を処方し、1週間で症状は軽快しました。
しかし、同月中に再発を認め、再治療を実施。
さらに1か月後に再々発し、他院(保険診療クリニック)を受診した際には「ただのデキモノ」と診断され、ステロイド軟膏を処方された結果、症状が悪化しました。
その後、オンライン診療で5日分のバラシクロビルが処方されたものの、再発抑制療法は受けられませんでした。
当院を再受診し、再発抑制療法(バラシクロビル90日分)を希望され、処方を行いました。
その後は再発を認めず、再発抑制療法は継続しています。
【専門医の解説】
性器ヘルペスは、一度感染すると神経節に潜伏し、再発を繰り返す特徴があります。
初発時には強い痛みや発熱を伴うことが多く、再発時には症状が軽くてもストレスや疲労、月経などがきっかけで再燃します。
本症例のように、他院で「デキモノ」「炎症」などと誤診され、ステロイド外用薬で悪化してしまうケースも少なくありません。
ステロイドは炎症を抑える一方で、免疫を一時的に抑制し、ウイルスの増殖を助長することがあります。
再発を繰り返す方には、抗ウイルス薬を少量ずつ長期的に内服する「再発抑制療法」が有効です。
ヘルペスの症状が頻繁に出る方は、「治す」というより「コントロールする」視点が大切です。
【患者様の声】
「他のクリニックで『ただのデキモノ』と言われ、ステロイドを塗ったら悪化してしまいました。
銀座ヒカリクリニックで再発抑制療法を受けてから、再発もなく安心して生活できています。
もっと早くここに来ればよかったです。」
【まとめ】
性器の「できもの」や「痛み」は、ヘルペス・梅毒・バルトリン腺炎など多くの病気と見分けがつきにくく、自己判断や誤診が起こりやすい症状です。再発を繰り返す場合や、他院の治療で改善しない場合は、性感染症専門の医療機関での再評価をおすすめします。