- 1産婦人科から来られる性感染症の患者さんとは
- 2産婦人科クリニックに行くデメリットとは?
- 2-1妊婦さんがいると気まずい
- 2-2治る薬を出してくれない
- 2-3産婦人科は、のどの検査ができない事が多い
- 2-4産婦人科は、パートナーの検査ができない事が多い
- 2-5産婦人科では尖圭コンジローマの診断ができない事が多い
- 2-6治療効果の可視化とは?
- 2-7マイコプラズマやウレアプラズマの治療に消極的な事がある
- 3産婦人科クリニックに行くメリットとは?
- 3-1産婦人科では、
- 3-2産婦人科では、正常妊娠の確認ができる
- 3-3産婦人科では、女性のスタッフが多い
- 3-4産婦人科では、不妊症外来がある事がある
- 3-5産婦人科では、不正出血や無月経の精査ができる
- 3-6緊急疾患への対応ができる
- 4産婦人科クリニックに行くメリット・デメリットのまとめ
- 5結局、性病になったら何科に行けばいいの?
- 6おまけ:信用できる産婦人科クリニックはココ!!
今回のテーマは少し踏み込んだお話をします。これは決して産婦人科の先生を批判するものではありません。ただ、私たちが専門とする性病の診療において、患者様方にとって正しい知識を身に着けた医者が、情熱を持って診療すべきであるにもかかわらず、なかなか一般の診療所、一般診療のシステムでは相応の対応ができず、患者様方が路頭に迷ってしまっている現状があるという事実を知っていただきたいのです。
1産婦人科から来られる性感染症の患者さんとは
産婦人科クリニックを受診した性感染症の患者様が感じられている不安感、ご心配は様々あります。実際に私たちのクリニックに訪れた患者様のお声を以下にまとめてみます。
産婦人科で感じたご不安、ご心配のお声
- 幸せそうな妊婦さんがいると、性病を心配している自分の立場が気まずい
- 治る薬を出してくれない
- 喉の検査がしてもらえない
- パートナーの検査がしてもらえない
- コンジローマの診断があいまいに感じる
- マイコプラズマやウレアプラズマは「治さなくて良い」と言われた
もちろん、全ての産婦人科のクリニックで性感染症の診療が不得手と言うわけではありません。そもそも性感染症に精通している産婦人科クリニックの場合はおそらく患者さんが満足され、当院に来ていないのだと思われます。
当院を受診する患者さんは色々な事で失望し、これではダメだと思い、藁をもすがる気持ちと切迫した顔つきで当院を受診されます。その理由を、これから一つ一つ丁寧に見ていきましょう。
2産婦人科クリニックに行くデメリットとは?
2-1妊婦さんがいると気まずい
まずはシステム的なお話です。患者さんはおりものがおかしいから、性行為後のことだからと産婦人科クリニックを受診しますが、産婦人科クリニックの診療幅はとても広く、時にはおなかの大きい妊婦さんなどもご来院されます。妊婦さんは何とも言えない幸福オーラをお持ちの方が多く、性感染症で悩める患者さんにはまぶしすぎる事があります。妊婦さんに囲まれた先生もどこかしら神々しくうつってしまい、その雰囲気から自分の悩みを打ち明けにくくなってしまう患者さんも少なくありません。
当院を受診された患者様が実際に言われたとされる辛かった言葉をまとめてみます。
実際に言われて辛かった言葉
- 「風俗なんてしているから性病になるのです」
- 「自分を大切にしなければいけませんよ」
- 「本当に取り返しがつかなくなりますよ、不妊になりますよ」
ある種、正論ではあるのですが、どんな患者さんも様々な事情があるわけですし、職業を選ぶ権利や自由は誰にでもあるし、「ずっと今のままでいい」と思っている人もいません。これは私の見解ですが、性感染症をみる医師は、何も言わずまずは医学的に考えられる病気を考え、必要な検査をし、必要な治療を施す、に尽きると思います。
少なくとも「私、風俗しているから性病になるのですか?」「自分を大切にしないといけませんか?」「本当に取り返しがつかなくなりますか?」と問われた時点で、医師としての見解を答えたらよい話です。しかし、こんな質問はまずされません。患者さんはそれくらいの事はわかっています。分かっている事(正論)を言われると嫌になるのが人間です。
医師としてすべきことは、まずは頼ってもらえるような環境をクリニック内に作る事、医学的指導は信頼関係ができてから行うべきなのです。
2-2治る薬を出してくれない
産婦人科クリニックから「治らないんです」訴える患者さんのお薬手帳を見てみると、「え、こんな薬を飲ませていたらいくら何でも治らないよ」と、性感染症を専門に診る者からみると非常識な薬が漫然投与されている事があります。簡単な性感染症に関しては、どこのクリニックでも大体同じような薬が処方され、治りますが、特に耐性菌だと分かった時点でそのクリニックの腕が分かります。
基本的には産婦人科は外科系の診療科です。先生によっては手術と同じくらい内科的診療もお上手で得意な方もいらっしゃいますが、基本的には手術が好きな先生が多く、内科的なこまごましたお薬の知識が苦手な先生もいらっしゃいます。性感染症の多くの疾患はこの、「こまごましたお薬の知識」が治る、治らないの成功と失敗を分けるのです。
2-3産婦人科は、のどの検査ができない事が多い
産婦人科の先生の中には、のどの性病がある事を知らない先生もいらっしゃいます。または知っていても、「うちではやっていません、性感染症クリニックや耳鼻科へ」といわれる先生もいらっしゃいます。また、検査ができるクリニックさんだとしてもおりものと同時にオーダーすると保険を切られてしまい、クリニック側の持ち出しになってしまい、「検査希望であれば来月来てください」となることもあります。
今すぐ検査がしたい患者さんにとって、次の月に来てくださいというのは無駄な時間です。
2-4産婦人科は、パートナーの検査ができない事が多い
産婦人科クリニックの多くは男性禁制か、少なくとも男性の診療をしていない所が多いです。「パートナーは泌尿器科を受診してください」と言われてしまうパターンが多いのではないでしょうか。その点、性感染症専門の多くのクリニックでは男性、女性どちらも診察しておりますので、パートナー同士で同じ検査を受ける事も出来ますし、性感染症ガイドラインに則った一貫した診療を受ける事ができます。当院もしかりです。
“パートナーさんと一緒に銀座ヒカリクリニックで性感染症ドックを受けてみませんか?”
2-5産婦人科では尖圭コンジローマの診断ができない事が多い
これは少し専門的になってしまうお話なのですが、性感染症の診療で最も難しいのは、できもののチェックです。コンジローマに限らず、梅毒、ヘルペス、伝染性軟属腫など、産婦人科で見逃されて当院を訪れた患者さんの人数はとても多いです。その中でもコンジローマの患者さんは群を抜いています。例えば膣前庭部にあるものや子宮頚管部にあるコンジローマの診断は大変難しく、性感染症のクリニックでの研修を受けなければおそらく総合病院などで診る事はほとんどないのがその原因であると考えられます。
2-6治療効果の可視化とは?
診断がなされたのちに、次に問題になるのが治療効果の可視化です。女性は自分の性器が見れないため、例えば液体窒素やベセルナクリームでの治療中に、先生から「よくなってるよ、小さくなってるよ」と言ってもらえても、自身が見れないので、どの程度小さくなっているのか、再発は無いのかなど不安が募ります。当院では、患者さんに許可を得て患部を撮影してから患部の写真を一緒に診ながら説明をしています。(写真の例は「症例写真」をご参照ください)患者さんに聞くと、99%の人が「撮って見せて欲しい」とおっしゃいます。皆、自分の病気の状態を正確に把握したいのです。思うに、いくら名医で治療がお上手な先生だとしても、患者さんのお気持ちをお察しする事ができなければ患者さんに寄り添った医療の実現は困難であるのだと思います。
2-7マイコプラズマやウレアプラズマの治療に消極的な事がある
マイコプラズマ・ジェニタリウムと言うのは新しい性感染症の1つとしてクローズアップされていますが、歴史背景から、男性の性感染症診療の中で「非クラミジア性非淋菌性尿道炎」の中で一番多いもの、という認識で研究されてきた病原体です。
少しマニアックではあるのですが、マイコプラズマ・ホミニスは帝王切開後の腹腔内の膿瘍形成で原因となることがありますし、ウレアプラズマは細菌性膣症や不妊の報告があります。しかし、ウレアプラズマに関してもウレアリチカムによる男性の尿道痛は有名であり、やはりこれも男性で治療されるもの、と言う印象があるのかもしれません。
しかし、マイコプラズマ・ウレアプラズマも他の性感染症と同じで、女性側も無症状であっても治していかなければ、男性の性感染症の改善は見込めません。カップルたちは相手の為に自分も治そうとしているのに、「治さなくてよい」と言われてしまうとそれ以上先に議論が進みません。
3産婦人科クリニックに行くメリットとは?
3-1産婦人科では、エコー検査がしてもらえる
これまでデメリットばかりをお話してきましたが、メリットも考えてみましょう。
性感染症の検査の陰性を確認した後に、下腹部痛の原因が卵巣にあったり、不正出血の原因が子宮内膜に合ったりするとエコー検査が有効です。通常の性感染症専門クリニックではエコーがありませんので、ここまでの検査はできません。
3-2産婦人科では、正常妊娠の確認ができる
性感染症の多くはコンドームを使用しない性行為から始まります。つまり、性感染症を発症しながら、妊娠している可能性も秘めているわけです。妊娠を否定するには妊娠反応検査が必要ですし、陽性になった場合はエコーにて「正常妊娠の確認」をしなければいけません。これは性感染症のクリニックでは基本的にできませんので、妊娠を疑った場合、私たちは産婦人科のクリニックの受診をお勧めしています。
3-3産婦人科では、女性のスタッフが多い
産婦人科では、男性医師はいるかもしれませんが、受付スタッフや看護師はほぼ女性でそろえている事が多いです。病気になってしまうと、男性にみられてしまってもある程度仕方ないと思う人もいますが、基本的に健康で検査だけしたい、という場合には同性のスタッフの方が安心感が得られます。当院では男性も女性も受け付けておりますが、受付スタッフも男女をバランスよく雇用しています。女性の診察の際には必ず女性のスタッフが立ち会います。患者さんの不安が強い場合は女性スタッフが、おそばでおつきすることもできます。お気軽にご相談ください。
3-4産婦人科では、不妊症外来がある事がある
昭和や平成初期では性感染症専門クリニックと言うとそのほとんどが風俗で遊ぶ方やその従事者でしたが、今の患者さんは本当に多種多様です。風俗、パパ活、立ちんぼの他、マッチングアプリ、妊活前・不妊治療中の方の検査希望やトラブルなどの患者さんもいらっしゃいます。特に特定のパートナーであるにしても、妊活などで性行為の数が増えると膣の状態が悪化し、カンジダ症や細菌性膣症などの膣炎になってしまう事もあります。
性感染症のクリニックでは不妊症治療中の方も検査は自由に行っていますが、治療になると必ず不妊症外来の先生と連携を取らなければなりません。妊婦になる場合、使用できない薬があるためです。性病治療を優先するか、不妊治療を優先するか、基本的には性病治療を優先しますが、その時には不妊治療を一次休止していただかなければなりません。
不妊症の外来のある産婦人科では院内でのご相談で簡単にそれができます。一方私たち性感染症専門のクリニックでは患者さんが困らないように必ず不妊治療外来の先生にお手紙を書くようにしています。ご安心ください。30歳代後半で焦った様子で、しっかりと性病の治療をした後に妊娠、出産にたどり着けた患者さんの笑顔を私は今も忘れません。
3-5産婦人科では、不正出血や無月経の精査ができる
不正出血の原因は性感染症の淋菌やクラミジアである一方で、ピルの飲み忘れや子宮頸がん、など婦人科的原因の事もあります。これも、性病の検査が一通り終わった段階ですぐに精査ができるのも産婦人科クリニックの良いところです。
無月経が性感染症の原因となる事は極めてまれですが、無月経のご相談も来られることがあります。その場合、産婦人科のクリニックであれば引き続き相談をすることができます。
3-6緊急疾患への対応ができる
腹痛の原因が性感染症の場合と、そうではなく卵巣出血や子宮外妊娠など、産婦人科特有の急性腹症と言うのがあります。この場合も性感染症の検査が陰性または陽性で治療後でも症状が警戒しない時には疑うべきであり、急いで産婦人科の先生に診てもらわなければなりません。
4産婦人科クリニックに行くメリット・デメリットのまとめ
これまで申し上げてきたことをまとめると以下になります。
メリット | デメリット |
---|---|
エコー検査がしてもらえる | 妊婦さんがいると気まずい |
正常妊娠の確認ができる | 治る薬を出してくれない |
女性のスタッフが多い | のどの検査ができない事が多い |
不妊症外来がある事がある | パートナーの検査ができない事が多い |
不正出血や無月経の精査ができる | 尖圭コンジローマの診断ができない事が多い |
緊急疾患への対応ができる | マイコプラズマやウレアプラズマの治療に消極的な事がある |
5結局、性病になったら何科に行けばいいの?
性病になった時、症状があってもなくても、まず行くべき診療科は性感染症内科をお探しください。しかし、性感染症内科というのは都市部でなくては見つからない事も少なくありません。その場合は銀座ヒカリクリニックのオンライン診療があります。全国どこからでも専門医の診察、意見が聞ける場所です。ぜひご相談ください。
“性感染症の専門家の意見が聞きたい!”
-
6おまけ:信用できる産婦人科クリニックはココ!!
アイレディースクリニック新横浜
院長:入江琢也先生
特色:生理痛改善や確実な避妊のための低用量ピル処方、CO2レーザーによる子宮頸部レーザー治療や美容注射などの医療を提供されています。
クリニックHP
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記事監修
院長 剣木憲文(けんのき のりふみ)
医師、医学博士
日本性感染症学会認定医
銀座ヒカリクリニック院長
銀座ヒカリクリニック
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