- 1亀頭包皮炎とは
- 2原因について
- 3亀頭包皮炎が起こりやすい人
- 4症状について
- 5検査および診断、実際の症例画像
- 6治療
- 7包茎手術を受けるべきか
- 8注意点、【雑談】ほんの亀頭炎だと思っていたら梅毒だった話
1亀頭包皮炎とは
亀頭や包皮の皮膚にカンジダ(カビの仲間)や一般細菌などの原因菌が感染し、赤みや腫れ、悪臭、痒みなどの炎症を伴う疾患です。また、菌が全く感染していなくても、接触性皮膚炎という激しい性行為や洗いすぎ、こすりすぎによる機械的刺激からくる炎症で発症することもあります。
2原因について
原因は前述のように、カンジダや一般細菌などの病原体と、機械的刺激などがあります。
亀頭包皮炎の原因
- カンジダ←性行為による
- 一般細菌←性行為または不衛生による(小児でも発症する)
- 接触性皮膚炎(お肌のトラブルとして)
3亀頭包皮炎が起こりやすい人
糖尿病、アトピー性皮膚炎、包茎の人が起こりやすいです。また、最近では糖尿病でなくても糖尿病のお薬(特に、SGLT2阻害剤と呼ばれる”糖を尿から排出し血糖を調節する薬”)をダイエット目的で投与している人もいらっしゃる時があります。ちなみに糖尿病の薬によって尿の中に多くの糖が排出されると、糖は細菌の好物なので、亀頭包皮炎を起こしやすくなることがわかっています。
一方、亀頭包皮炎を発症する事で、気づいていなかった糖尿病が見つかる事もあります。糖尿病になると、細菌だけでなくカンジダも感染しやすくなります。また、不衛生なだけでも起こりますので、土や砂をいじる幼児でも頻繁に見られることがあります。
4症状について
亀頭や包皮に赤み、腫れ、カス、悪臭などが見られます。軽微な症状から重症な方まで様々です。
5検査および診断
亀頭や包皮、冠状溝(亀頭と包皮の間の溝)などを綿棒でぬぐって塗沫検査や培養検査を行います。そして菌が検出されればカンジダ性、細菌性の亀頭炎であると診断がつきます。菌が全く検出されない場合には、接触性皮膚炎としての亀頭炎を疑います。
6治療
当院では、軟膏治療を行っております。一般的には清潔な状態を保ち、1日1,2回軟膏を塗ると1週間で軽快しますが、糖尿病やアトピー性皮膚炎などがあると治るのが若干遅れる傾向にあります。
7包茎手術を受けるべきか
結論:真正包茎の場合と、仮性包茎でも、亀頭炎を繰り返す場合は手術を受けた方がよい。
包皮が完全にかぶっていて剥けない包茎の事を真正包茎と言います。この場合は、包皮の中で慢性的に炎症を起こしてしまう事があるため、治療が必要となります。一方、普段は包皮が被っていても自身で自由に剥ける事ができる事を仮性包茎と言います。この場合は基本的には包茎手術は不要ですが、日中ずっと皮が被っている事により通気性が悪くなり、熱もこもり、雑菌やカビの温床となってしまうため、亀頭包皮炎を繰り返す場合には、包茎手術を受ける事も治療の1つと考えられます。
8注意点
亀頭炎や陰茎包皮炎は症状が軽微な人からひどく重症な人までいます。繰り返してしまう人も多いですが、発症した際にはなるべく自己診断はせずに性感染症のクリニックにお越しいただくのがよろしいかと思います。亀頭炎と思っていたら、ヘルペスであった、とか、梅毒であった、という症例はたまに見かけます。クリニックで医師に診察を仰ぎ、他の性感染症の可能性があるか否か問う事がとても大切であると感じています。
【雑談】ほんの亀頭炎だと思っていたら梅毒だった話
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記事監修
院長 剣木憲文(けんのき のりふみ)
医師、医学博士
日本性感染症学会認定医
銀座ヒカリクリニック院長
銀座ヒカリクリニック
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