- 1尿道炎とは
- 1-1尿道炎とは
- 1-2尿道炎の原因菌とは
- 1-3なりやすい人
- 1-4膀胱炎や尿路感染症との違いは?
- 2尿道炎でよくみられる症状
- 3受診のタイミング
- 4検査・診断
- 5治療について
- 6関連する病気はあるか?
- 7似ている病気は?
- 7-1亀頭炎
- 7-2膀胱炎
1尿道炎とは
1-1尿道炎は性病?
尿道炎とは主に男性尿道に炎症を起こしている状態を言います。一般に「尿道炎」というと、性行為によって感染する性感染症の1つと考えます。
たまに患者さんとお話していると、「クラミジアは性病、尿道炎はただの尿道炎」という風に、「尿道炎」を性感染症と認識していない方がいらっしゃいますがそれは間違えです。尿から検出されるクラミジアも正しい病名は「クラミジア性尿道炎」です。
1-2尿道炎の原因菌とは
尿道炎の原因菌は一般に、淋菌、クラミジア、非クラミジア性非淋菌性の3つが有名です。非クラミジア性非淋菌性尿道炎の中ではマイコプラズマ・ウレアプラズマが一番多いとされています。マイコプラズマ・ウレアプラズマはさらに4種類に分かれます(下記)。他には、トリコモナス、カンジダ、一般細菌などが可能性としてはありますが、トリコモナスは発展途上国に多い原虫であり、カンジダや一般細菌はは女性に感染することが多く、男性での感染例は稀です。一般細菌には、インフルエンザ菌、髄膜炎菌などが含まれ、他にもアデノウイルスによる尿道炎などが学会では報告されています。
尿道炎の原因菌について
- 1.淋菌性尿道炎
- 2.非淋菌性尿道炎(淋菌以外の尿道炎)→ クラミジアが多い
- 3.非クラミジア性非淋菌性尿道炎 → マイコプラズマ感染症*が多い
- 4.トリコモナス尿道炎
- 5.カンジダ尿道炎
- 6.一般細菌尿道炎(インフルエンザ菌、髄膜炎菌)
- 7.アデノウイルス尿道炎
*マイコプラズマはさらに狭義のマイコプラズマとウレアプラズマに分類されます。
マイコプラズマ
|
M.ジェニタリウム |
---|---|
M.ホミニス |
|
ウレアプラズマ
|
U.パルバム |
U.ウレアリチカム |
1-3なりやすい人
尿道炎になりやすい人は、不特定多数の人と性的関係を持つ人、コンドームを使用しない人、糖尿病の人、ステロイドなどの免疫抑制剤を使用している人などがなりやすいです。
1-4膀胱炎や尿路感染症との違いは?
膀胱炎は膀胱と言う尿を貯めて置く器官が感染を来たし炎症を起こすことを言います。特に尿道の短い女性に多い疾患です。尿路感染症とは、尿路系、すなわち上部尿路である腎、尿管、下部尿路である膀胱、尿道の感染と炎症について用いる言葉です。両者とも、必ずしも性感染症で発症するものではなく、幼児や高齢者も発症します。ただし、高齢者であっても性行為をしている方は性病の菌が感染している可能性もあり、検査が必要です。
2よくみられる症状
よく見られる症状としては、尿道の違和感、痒み、痛み、膿の排泄、睾丸の痛みなどがありますが、無症状も多いです。
3受診のタイミング
結論:パートナーが変わっていなくても症状がある時。症状が無くても新しいパートナーのと性行為のある場合。
性行為直後から検査が可能です。ただし、どんな検査も待てば待つほど精度は上がります。心配であれば24時間ほど経過してから検査をしてみましょう。尿道炎症状がある時は、その症状が僅かな場合でも必ず検査を受けにいらしてください。一般に淋菌やウレアプラズマウレアリチカムでは症状が強く出る事が知られていますが、それでも症状に乏しい事もあります。
4検査・診断
性感染症の検査は非常に特殊で多種多様です。まずは尿の中にどんな病原体がいるか、見付ける事が大切です。菌は1種類でないこともあるため、広めの検査を行う事が大切です。以下、原因菌ごとに表にまとめました。
原因菌 | 検査法と特徴 |
---|---|
淋菌 | PCR検査:精度抜群。イムノクロマト法:精度が劣るが20分で結果が出る。 細胞培養:古典的。検査結果は6日後に出る。 |
クラミジア | PCR検査:精度抜群。イムノクロマト法:精度が劣るが20分で結果が出る。 |
マイコプラズマ・ウレアプラズマ |
PCR検査:精度抜群。結果は4,5日後。 |
MG/TV検査* *MG/TV検査:M.ジェニタリウム、トリコモナス |
PCR検査であり、精度抜群。 |
トリコモナス | 塗沫検査、培養検査 発展途上国に多い。 |
カンジダ | 塗沫検査、培養検査 女性に多い。 |
一般細菌 | 塗沫検査、培養検査 腸内細菌やインフルエンザ菌、髄膜炎菌(淋菌と同じナイゼリア属)などがある。 |
アデノウイルス | イムノクロマト法(当院では検査不可) 激しい尿道痛が3週間ほど続く。 細菌ではないので、抗生剤は効かない。 |
5治療について
治療は病原体ごとに異なります。各病原体と治療法について、以下にまとめます。
原因菌 治療法 |
自由診療相場 当院治療費 |
---|---|
淋菌 点滴 |
¥5,500-¥22,000 ¥8,250 |
クラミジア 抗生剤服用 |
¥5,500-¥16,500 ¥5500 |
マイコプラズマ・ウレアプラズマ 抗生剤服用 |
¥5,500-¥22,000 \11,000 |
トリコモナス | ¥11,000-¥22,000 ¥7,700 |
カンジダ | ¥5,500-¥7,700 ¥3,850 |
一般細菌 | ¥11,000-¥11,000 ¥5,500 |
*当院では治療費以外に、診察料(¥1,650)、処方料(¥220)などがかかります。
上行性に菌の感染が広がるといわゆる睾丸、たまが痛む精巣上体炎や会陰の奥が疼く前立腺炎などがあります。
7似ている病気は?
尿道炎に似ている病気として男性では亀頭炎、女性では膀胱炎があります。
7-1亀頭炎
亀頭炎は亀頭や陰茎包皮などの皮膚の病気であり、陰嚢、恥毛部へと広がるのに対し、尿道炎は尿道粘膜(尿の通り道)の病気で、上行性に前立腺、膀胱、精巣上体などへと広がります。自覚症状としては、ペニスの周りの皮膚の痛みか、ペニスの中のムズムズする感覚として区別が可能です。それでも難しい場合は当院医師にご相談ください。
7-2膀胱炎
女性の場合、尿道から膀胱までの距離が2,3㎝しかない為(男性では25㎝)、尿道炎とは表現せず、膀胱炎と言います。治りにくい膀胱炎の場合に、性感染症の菌を疑って尿検査を行うと淋菌、クラミジア、マイコプラズマ・ウレアプラズマなどが検出されることもあります。この場合、通常の膀胱炎(大腸菌が90%と言われています)の治療薬では効かないため、長くこじらせてしまう方がいらっしゃいます。治りにくい難治性の膀胱炎の方は是非当院医師にご相談ください。まずは性病の菌がいるか否か、検査をしてみましょう。
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記事監修
院長 剣木憲文(けんのき のりふみ)
医師、医学博士
日本性感染症学会認定医
銀座ヒカリクリニック院長
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メディア(取材)
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