1.はじめに
免疫力が低下すると、身体の自然防御機能が弱まり、感染症にかかりやすくなることは広く知られています。特に、性病(性感染症)は免疫力が低下している状態でさらにリスクを増す可能性があります。性病は、性行為を通じて感染する病気であり、無症状であることも多いため、予防や早期発見が重要です。本コラムでは、日本性感染症学会専門医であり、銀座で性感染症専門のクリニックを開業している私が、免疫が下がることで性病にかかりやすくなる人を5つのカテゴリーに分けて紹介し、それぞれの特徴や予防法について考察します。
1-1. ストレスを多く抱える人
現代社会では、仕事や人間関係、生活全般において多くのストレスを感じる人が増えています。ストレスが慢性的に続くと、身体の免疫機能が低下し、感染症に対する抵抗力が弱くなります。
ストレスが免疫に与える影響
ストレスが溜まると、体内で「コルチゾール」というホルモンが分泌されます。このホルモンは一時的に免疫反応を抑制し、炎症を抑える働きを持っていますが、長期的には免疫細胞の働きを弱め、病原菌に対する防御力が低下します。結果的に、性病を含む感染症にかかりやすくなるのです。
ストレスと性病
免疫力が低下した状態では、性病に感染するリスクも高くなります。特に、ストレスが多い人は、不規則な生活や不健康な食生活を送りがちで、これも免疫力に悪影響を与えます。また、ストレスを解消するためにアルコールや喫煙に依存することがあり、これがさらなる免疫低下を招く原因となります。
予防法
ストレスを管理するためには、リラクゼーション法や趣味の時間を大切にすることが重要です。定期的な運動やヨガ、瞑想なども免疫力の向上に役立ちます。また、バランスの取れた食生活を心がけ、十分な睡眠を取ることが免疫力維持に不可欠です。
1-2. 睡2不足の人
免疫機能の重要な要素の一つは十分な睡眠です。睡眠が不足すると、免疫細胞がうまく働かなくなり、身体が感染症に対して無防備な状態になります。
睡眠不足が免疫に与える影響
睡眠中に分泌される成長ホルモンは、免疫細胞を活性化し、身体の修復を行う重要な役割を果たします。睡眠不足になると、この修復プロセスがうまく機能せず、免疫力が低下します。また、慢性的な睡眠不足はホルモンバランスを崩し、免疫系をさらに弱めることが分かっています。
睡眠不足と性病
免疫力が低下していると、性病に感染しやすくなるのはもちろん、感染しても回復が遅くなる可能性もあります。特に、HIVや梅毒など、免疫システムに直接的な影響を与える性感染症の場合、免疫力が低下していると病気が進行しやすくなります。
予防法
質の高い睡眠を確保するためには、就寝前のスマートフォンやパソコンの使用を控え、リラックスできる環境を整えることが大切です。毎日の睡眠時間を確保し、規則正しい生活を送ることが免疫力の向上に繋がります。
1-3. 栄養が偏っている人
免疫力を維持するためには、適切な栄養が欠かせません。ビタミン(B6,C,E)やL-システイン、グルタチオンなど、さまざまな栄養素が免疫細胞の働きをサポートします。しかし、食生活が偏っていると、これらの栄養素が不足し、免疫機能が低下します。
栄養不足が免疫に与える影響
特にビタミン(B6,C,E)やL-システイン、グルタチオンなどは免疫細胞の働きに深く関わっています。これらの栄養素が不足すると、免疫細胞がうまく機能せず、感染症にかかりやすくなります。また、栄養が不足した状態では身体が疲れやすく、ストレスにも弱くなるため、免疫力がさらに低下することが考えられます。
栄養不足と性病
免疫力が低下していると、性感染症に感染するリスクが高まります。特に栄養が不足していると、感染症の治療にも時間がかかり、回復が遅れる可能性があります。また、免疫力が低いため、感染症が重症化しやすくなる場合もあります。免疫が下がるとお顔に吹き出物が出る方がいます。同時に、あまり知られていない事ですが、陰部にも肌荒れの症状が出る方も実は多くいらっしゃいます。男性では陰茎包皮炎、女性では外陰部炎や毛嚢炎、アポクリン汗腺炎などです。
予防法
バランスの取れた食事を心がけ、特に免疫に良い食材(野菜、果物、魚、ナッツなど)を積極的に取り入れることが重要です。必要に応じてサプリメントを使用するのも一つの手段です。銀座ヒカリクリニックでは美容・健康内服薬として、ビタミン(B6,C,E)やL-システイン、グルタチオンなどの内服薬を低価格で処方しております。免疫を高め、お肌や陰部の吹き出物を治したい方はぜひご使用くださいませ。下記に関連コラムを掲載しています。
美容・健康内服ベストの組み合わせ3選!
1-4. 喫煙者
喫煙は免疫系に直接的なダメージを与えることが知られています。タバコの煙には数百種類もの有害物質が含まれており、これらが免疫系を弱め、感染症のリスクを高めます。
喫煙が免疫に与える影響
喫煙は肺や血管に悪影響を及ぼし、免疫細胞の働きを抑制します。さらに、喫煙によって発生した活性酸素が免疫細胞を傷つけ、炎症を引き起こします。これにより、体内で病原菌に対する防御力が低下します。またピルを内服している女性では喫煙により、血栓症のリスクが上がります。
喫煙者と性病
喫煙者は、性病に感染しやすいだけでなく、感染した場合の回復も遅くなることがあります。特に喫煙が慢性的な炎症を引き起こすため、性感染症が重症化しやすいです。さらに、喫煙が原因で免疫細胞の機能が低下するため、感染症に対する抵抗力が著しく弱まります。
予防法
禁煙することで免疫力を向上させ、性感染症に対するリスクを減らすことができます。禁煙は免疫機能だけでなく、全身の健康にも良い影響を与えるため、長期的には大きなメリットをもたらします。
1-5. 高齢者
高齢になると、自然に免疫力が低下する傾向があります。加齢に伴い、免疫システムの働きが鈍くなり、感染症にかかりやすくなるのです。
高齢者の免疫力の低下
加齢により、免疫細胞の数や働きが減少し、感染に対する抵抗力が低くなります。また、高齢者は慢性的な疾患(糖尿病、高血圧、心臓病など)を抱えていることが多く、これがさらに免疫機能を低下させる原因となります。糖尿病の患者では、亀頭包皮炎になり、亀頭や包皮がただれたり、亀裂が入ったりする方がとても多いです。また、尖圭コンジローマを発症する方もいらっしゃいます。
高齢者と性病
高齢者が性病に感染するリスクは若年層と同じか、それ以上に高いことがあります。特に、高齢者は免疫力が低下しているため、感染症にかかると症状が重篤化することが多いです。性器ヘルペス、尖圭コンジローマ等で当院を受診される高齢の方は比較的多くいらっしゃいます。また、介護施設などで集団生活をしている場合、性病が広がるリスクも増加します。
予防法
高齢者は、定期的な健康チェックを受けることが重要です。また、免疫力を高めるために、バランスの取れた食事、運動、十分な睡眠を心がけることが予防につながります。尖圭コンジローマにはHPVワクチン、梅毒、クラミジア、淋病にはドキシペップでの予防、性器ヘルペスには再発抑制療法をお勧めします。
子宮頸がんワクチンは安全なの?
【最新論文解釈あり】ドキシペップとは|淋菌、クラミジア、梅毒の予防薬
ヘルペス再発抑制療法、コスパいい?
2.結論
免疫力の低下は、性病を含むさまざまな感染症にかかりやすくなる原因の一つです。ストレス、睡眠不足、栄養不良、喫煙、高齢などが免疫力を低下させ、性感染症のリスクを高めます。自分の免疫力を守るために、生活習慣を見直し、予防策を講じることが大切です。性病に感染するリスクを減らすためには、免疫力を高め、健全な生活を送ることが最も効果的な対策と言えるでしょう。
-
このコラムを見ている方はこちらのコラムも見ています。
美容・健康内服ベストの組み合わせ3選!
【最新論文解釈あり】ドキシペップとは|淋菌、クラミジア、梅毒の予防薬
子宮頸がんワクチンは安全なの?
ヘルペス再発抑制療法、コスパいい?
人気コラム
【特集/女性必見】 イカ臭い原因はコレだった!? 彼氏に心配される性病の症状第一位は悪臭!?|専門医監修|東京・性病検査|銀座ヒカリクリニック
【悩んでいる人多い!】ペニスがかゆい、白いカスが出る!亀頭包皮炎の対処法
細菌性膣症を繰り返す理由10選!性病のお勧めコラム
クラミジアがなかなか治らない理由5選!
治らないコンジローマをどう治療するか
子宮頸がんワクチンは安全なの?
ヨクイニンの効果について徹底検証!記事監修
院長 剣木憲文(けんのき のりふみ)
医師、医学博士
日本性感染症学会認定医
銀座ヒカリクリニック院長-
メディア(取材)
銀座ヒカリクリニック
アクセス:有楽町線 銀座一丁目駅より徒歩1分
本日の診療予約:03-6879-9875(急患受け入れも可)
*混雑時には、お電話に出られない場合があります。お手数ですが、数分後におかけ直しください。
明日以降のご予約:Web予約
混雑状況:X、混雑予報:インスタグラム
オンライン診療:Curon、LINEドクター
お得なクーポン:LINE公式アカウント
症例:写真、解説
-